この度、O様邸にダイニングセット・椅子・ソファーセットを納品しに行きました。

おじいちゃんの家を解体し、そこに新築を建てる、昔からあったその場所に、また何かのカタチでおじいちゃんとの思い出を残す、このようなご依頼を受け、解体から出た材料や大黒柱、そのおじいちゃんの家の屋根裏に昔からとっておいたさらに前の家の大黒柱、2世代をさかのぼる貴重な材料を使わせていただき、家具製作をしました。

ダイニングの周りには3種類の椅子。3種類のはずが、昔の木材の経年変化から出される色、新しく表面を削って出てくる色、本革の生きていた証が残るレザーパッチワークの部分、それらの掛け合わせですべての椅子が違う表情に仕上がり、唯一無二のものが出来上がりました。またそれぞれの先代の大黒柱を使いテーブルの脚を製作。W2400・D1000の大きな天板を支えています。

ソファーは島根県浜田市の山村振興財団さんの栗の木。浜田市金城町の山で育ってるこの木は木目がつまっていて表情豊かなのが特徴です。座面は愛知県の西尾市で織られている刺し子織・綿100%の厚地を自社で柿渋染しました。数週間かけて日光の光とともに発色、乾かし、また色を重ねる、仕立て終わればもう一度洗いにかける、時間をかけて作る布からでる柿渋グレーは主張しすぎず、自然に空間に馴染んでいました。この生地であればメンテナンスも可能で、破れればパッチワークできるし、染め直しもできる。長く使っていく中での付き合い方が想像できるものにしたい、そんな想いで作らせていただきました。

いいお仕事をさせていただいたことに本当に感謝。次世代に繋いでいくことでずっと残り続けるモノ・コトがあるということがとても感慨深かったです。