はじめに
無為自然
人やマチなどの発展のゴールは、自然であること。
自然とは、人が意図的に手を加えることで遠のく要素を持っています。無為とは、他からの力を受けず、あるがままに存在していることを指します。そして、あるがままに存在することは自身が強く、しなやかな力を有することが求められます。
その目指すべき在り方は、意図を持って制作する設計やデザインをする我々からすると矛盾しているかのように思えます。
しかし、人の行動は無意識的に行うことと、意識的に行うことの違いがあるように、生物の進化、発展など万物の存在は、無意識領域の働きによりあるべき形に進みます。したがって、進化、発展は論理的思考や合理性だけの意図では判断できないものです。
無為自然なものづくりとは流行や合理主義など作為的な思考に惑わされない、内発的なモチベーションを形にしながら、大切にしていくことです。
大地に根を張る大樹のように、より強く、よりしなやかに、より循環性を持ち、より幸福に、そしてより愛のあるデザインを追求します。


私たちの”マニュファクチュアリング”
“ものづくりは、作り手が業と叡智をもって使い手の人々の生活の幸せをつくります。
昨今、大量生産、大量消費、経済発展のための製造業として、形をかえ地域の産業として根付いてきました。それと同時に、地方への大型小売店の普及と、その大型店の物質流通に頼った製品の展開が進む中、経済合理性に偏った製品流通が地方都市に広がりました。その環境下において、作り手が業と叡智を注いだ製品は我々の手に届いているだろうか?
そして、使い手の幸せと作り手は結びついているのだろうか?
作り手と使い手が密接なリレイションシップを有し、相互に情報交換をし、さらなる製品の発展をつくる環境はあるのだろうか?私たちは、貨幣の交換のためだけに製品を作っているのではありません。日々研鑽した業や、日々練った叡智を使い手に活用してもらうことで共に幸せになっていくことに製品を作っています。
そういった幸福のトレードが各地域に芽吹いていくことをビジョンとして、実現に向けて取り組んでいこうと考えています。”
平下 茂親|Shigechika HirashitaSUKIMONO株式会社 代表取締役
Sukimono =数寄者 / すきしゃ・すきもの
Sukimonoに込められた想い
日本の現在の美意識や価値観、思想の根底は美しきことにあります。善悪や合理性ではない美しきことを判断基準として持っています。
能のような舞台芸術の中でも、日本独特の美しきこと、初心忘れるべからず、華をつくることなど、個々の感覚ではなく、一つのマニュアルとして伝わっています。実際に茶湯や陶芸、華道、書道、全ての所作に美しさを在り方、生き方に投影しています。
建築やものづくりの歴史の中で、安土桃山時代あたりから起こった数寄屋造りを中心とした美しさの追求。そんな日本のルネサンス期があり、その影響力は世界にJapanブランドとして印象付ける一端を担っています。
私はNYで暮らしていた時、現代の日本人の世界からみた価値はこの近年で作られているものではないと実感しました。外国人なので、日本史に詳しいわけではなく、日本を何度も訪れていない人でも、日本、日本人のイメージは固定概念として植え付けられていました。
それは当時、日本から日本人である技術、キャリアの少ない若者にとっては非常にありがたく、先人の創造した偉業から得られた恩恵でした。かたやメキシコ人は粗野で怠け者、という固定概念が植え付けられ、彼らは満足な職業にもつけず、その負のサイクルから教育水準は世代が変わっても低い状態で、その結果、所得格差、人種嫌悪により彼らは負の感情を根幹に持っています。
昨今、過去の先人の積み上げた価値観、思想、美意識は今の日本の中で薄れつつあります。薄れることが必然の世の中で、我々は現代の数寄者でありたい。そして日々のものづくりや生活の中で未来の日本人のためにもSukimonoとして大切なことを作っていきたい。
我々のつくる価値観やものづくりを日本人に、そして特に文化基盤の残る地方都市に生み出し、そこから世界へ発信していく必要かあります。未来の日本人、地方で暮らす人の豊な背骨をつくることで、心身共に豊な好循環な環境を作ります。
Company Information
会社概要
Office location|会社所在地
島根県 江津市 浅利町
OFFICE
オフィス
・建築設計
・デザイン業務
FACTORY
ファクトリー
・家具の制作
・布製品の制作
・製品のメンテナンスやリメイク
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ギャラリー
・商品サンプルの展示
・暮らしのものの販売